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〜社会人編⑤〜
「結婚できないかもしれない」と思った私は、正社員探しをはじめた。
折込チラシを見たり(実家にいるってありがたい)、ハローワークへ行ったり、やる気に満ちていた。
ハローワークでの相談内容はこうだった。
「資格もないんですけど、正社員になれますか? できれば事務がいいんです」
——接客が好きだった私が、なぜ事務を希望したのか?
それは、老若男女すべての接客に、ちょっと疲れてしまったから。
流れ作業みたいに、相手の顔も見ずに、笑顔もなくこなすような接客は、するのもされるのも苦手だった。
だから私は、自分なりに「気持ちのいい接客」をずっと意識してきたつもりだった。
けれど、相手によってはやっぱり感じ悪いこともある。
それを流せる人が、きっと“プロの接客業”なんだと思うけれど、私はどうしても一喜一憂してしまうタイプで。
そういうの、もうやめようと思った。
私は一生独身かもしれないし、定年まで働くには、座ってできる事務がいい。
話を戻して、資格がない私が事務職に就けるのかどうか。
ハローワークの担当者が言ってくれたのは「20代というのが最大の強みです」という言葉だった。
今の私は、声を大にして言いたい。
30代でも、40代でも、50代でも、大丈夫!
私の部下には、40代後半で正社員として入社して、今では頼れる存在になっている人もいる。
面接も担当するようになった今、むしろ「30代なんですね!」って歓迎したくなることもある。笑
でも、当時の私は単純で「20代が強みなのか!」と、やる気がグングン湧いた。
そんな中で目に止まったのが、ある折込チラシ。
今の会社だった。
「私たちと長く一緒に働きませんか?」
そんなシンプルな、よくあるようなキャッチコピーに、なぜか私はくぎ付けになった。
「一生独身の私が働くのにぴったり!」
事務ということ以外にも、私の中で条件はあった。
【土日休み】【GW休み】【お盆休み】【年末年始休み】【賞与あり】【ネイル可】
当時サービス業で働いていたころは、土日休みの人たちを見ては
「5連勤なんてしんどすぎる。2~3日働いて休みのほうが快適なのに!」
「銀行とか平日しか開いてないのに不便じゃないのかなぁ?」
「週末って、どこ行っても高いし混んでるじゃん」
って思っていた。
実際、友達もサービス業だったから、海外旅行も国内旅行も平日に行けてお得だったし、銀行も今みたいにお昼休みや有休を使って行く必要もなかった。
あのときの感覚もあながち間違ってはいなかったとは思う。
でも!全力で接客していた立ち仕事の5連勤と、今の5連勤は、気持ちも体力もぜんぜん違う。
この5連勤はイケる。笑
今の会社で働いて、(年齢バレちゃうけど)なんと13年目に突入。
ときどき、夢にガソリンスタンドが出てくる。
しかも、「なんで今の会社を辞めちゃったんだろう」って後悔している設定で。笑
それくらい、今の仕事が私は好きだし、気に入っている。
——じゃあ、この13年間、ずっと順風満帆だったのか?
それは…NO!
ここから先は、その“NO”の部分を振り返っていきます。