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まずは、とにかく「食べること」を意識した。
当たり前だけれど、胃は小さくなっていて、すぐにお腹がいっぱいになる。
それでも鏡に映った自分の体型がどうしても受け入れられなくて、「食べる」を意識し続けた。
1ヶ月ちょっとで、体重は元に戻った。
そのとき私は、「もう全部終わった」「元通りになった」と思った。
体重が戻って、すべてが元に戻ったと思ったとき「あの体調不良は、ストレスが原因だったんじゃないか」と、ふと思った。
妹が家に遊びに来たとき、空になったビール缶やワインボトルの数を見て驚いていたのを思い出した。
新人が入社して、体調を崩すまでの1ヶ月半、確かにお酒の量が増えていた。
でもその時点では、自分でもそれがストレスによるものだなんて思っていなかった。
私は「自分を守る」と決めて、その新人を“無関係な人”として扱うことにした。
私はもともと、合わない人ともある程度話せるタイプだったし、そこから良い面を見つけて仲良くなることもあった。
だから今回も、なんとなく距離を詰めようとしていた。けれど、それをやめた。
「必要最低限の会話だけでいい」と、自分に言い聞かせた。
ロッカーで2人きりになっても、駐車場までの帰り道が一緒でも、以前なら声をかけていたけれど、意識して話さなかった。
少し罪悪感はあった。でも、自分を守るためには必要な選択だった。
そんな中、久しぶりに会った知人に「何か病気にでもなったの?」と驚かれた。
体重は戻っていたのに、まだ覇気が戻っていなかったらしい。
その人に、「どうしても合わない人がいて、ストレスで体調を崩していた」と話した。
そしたら、知人が言った。
「韓国ドラマのドロドロって、見てるから楽しいの。
でも、自分がその中に入っちゃったらダメだよ」
目から鱗だった。
私はこれまで、知らず知らずのうちに“ドロドロの世界”に自分から入っていっていた。
でも今は違う。画面越しに見ることができている。
だから、罪悪感は不要だったんだ。
円形脱毛症に気づいたのはその日の夜だった。3月中旬のことだった。
新人が入社したのが11月、体調を崩したのがクリスマス、体重が戻ったのが2月中旬。
まさに、嵐が過ぎたタイミングだった。
私は2〜3日に1回しか髪を洗っていなかった(ちなみに今は5日に1回くらい。地味におすすめ)から、シャンプーをしたときに一度に抜ける量が多かった。
そのおかげで(?)、抜け落ちた瞬間には気づかなかった。
だからこれが進行中なのか、落ち着いた状態なのかもわからなかった。
すぐに調べた。円形脱毛症の原因は、ストレス。しかも“1〜3ヶ月前のストレス”。 (多分諸説あり。)
まさにドンピシャだった。
何度確認しても、やっぱり髪がない。
でも確信できる理由があったからか、驚くほど冷静だった。
夫は外出中、子どもは就寝中だったおかげで、1人でじっくり調べることができた。
TikTokを見まくった末に出た結論:
「もし広がったら、かわいいウィッグをつけよう」
「治るまで在宅勤務」は、私らしくなかった。
夫が帰宅してすぐ、「円形脱毛症になっちゃった!もし広がったらウィッグ買うね!」と軽く報告した。
ちょっとためらいながらも、髪がない部分を見せたら、夫は驚いたけれど、それだけだった。
私が明るかったから、夫も「大丈夫だ」と思えたんだと思う。
今もその箇所はあるけれど、ありがたいことに広がっても、増えてもいない。
感謝しかない。
私の場合、ストレスが直接の原因ではなく、それによる「食べられない日々」が引き金だった気がしている。
やっぱり、食事って大事。そして、ストレスなんて、くそくらえ。
その新人の、声のトーンも、ボリュームも。距離感も、所作も。全部、私はきらい。
でも「きらい」というより「私の美学とは合わないからきらい」って思うようにしている。ちょっとマイルドになるでしょう?笑
誰だって、人にイライラすることはある。
職場でも、家族でも、友達でも、電車の中でも。
でも今回の“イライラ”は、それとは違った。
「よくあるストレス」と同じに考えていたから、私はやられた。
次に同じようなことが起きたとき、自分が気づけるかどうかは正直わからない。
だけど今の私は、「当たり前のストレスが身体を壊すことがある」と知っている。
あのとき、「このままじゃだめだ。お肉を食べよう」と思わなければ、
私は今も、食べられないまま悪循環の中にいたかもしれない。
そう考えると、ちょっとゾッとする。でも、きっと大げさではない。
最後に。これを読んでくれている人に伝えたい。
私は普段から愚痴も言うし、ストレスを溜めないタイプだと思っていた。
周囲もそう思っていたはず。
だからこそ、やられた。
「私は大丈夫」って思っている人ほど、気をつけてほしい。
長くなったけれど。
小さなストレス、侮らないで 。